STRANGELOVE JESUSA! DECK (8.375 x 32.25inch) デッキ スケートボード ストレンジラブ ショーンクライバー

90年代にWorld Industries系列のグラフィックを
担当したアーティストである
ショーン・クライヴァー(Sean Cliver)が
スタートしたスケートブランドの
STRANGELOVE。

Sean Cliverが2004年に著した
「Disposable : A History of Skateboard Art」は
スケートボード・アートに関する資料集で
過去30年にわたる
名作デッキ・グラフィックを
カラーで多数収録されたものでしたので
Sean Cliverの名前をご存知の方は
多いかと思います。

さらにSean cliverは
VANS SYNDICATEから
シューズがリリースされたり、
SUPREMEからデッキやTシャツも
リリースされているアーティストです。

今はリミテッドで
デッキやTシャツを作り
ユルりと運営しているブランドです。

今回のデッキも
めちゃくちゃ深くて好きです。

このデッキとTシャツのコレクションは
アメリカでは7月4日の
アメリカ合衆国独立記念日に合わせて
リリースされる予定でした。

それを覚えておいてください。


長年スケートを愛してきた人であれば、
1990年に発売された “USA #1” と
大胆に書かれた
クラシックなTシャツを必ず覚えているはずです。

Marc Mckee(マーク・マッキー)が描いた
BlindのJason Leeのプロモデルは
「American Icons」に合わせたデザインで、
素晴らしい作品と謳われ、
それ以来今日まで多くの
スケートコレクターにとって
手に入りにくい逸品となっています。

当時はスケートグラフィックの
レパートリーに
風刺はあまり含まれていませんでしたが、
この「American Icons」によって、
その後数十年にわたり
スケートボードから生まれる
社会批判を描いた
イラストレーションの扉が大きく開かれました。
そう、神に感謝しなければなりません。

残念ながら風刺は確かに最近、
不透明なカテゴリーになってきています。

風刺の一般的な要点が
最近ではしばしば失われているようです。

特にそのような創作物が生まれた
時代や背景を注意深く考えるよりも
その瞬間だけ膝を叩いて
反応する人たちが多いようです。

そればかりか、
それって完全に風刺のつもりで
作ったんじゃないの?と思われるような
本当にばかげたものをいくつか見てきました。

“アメリカ社会における
おいおいマジかよ!?” である。

だからもう何が何だか
分からなくなっちゃったんですよね。

それが今回のグラフィックです。

左派の人たちから見れば、
これは風刺に違いない。
一方、保守的なキリスト教徒である
右派にとっては、
これもまたキリストが
アメリカ国旗を振っているので
近所のお土産屋さんに
入ったようなものです。

というわけで
営業的にはWin-Winなのでしょうか。

しかしここで、
偶然にも論争の的になっているこの時期に、
(ちょうどこの時期6月24日に
アメリカ連邦最高裁は州の
妊娠中絶禁止措置を認める判決を下した)
私たちがどのようにして
このグラフィックにたどり着いたか
少し裏話をしましょう。

もともとこのデザインは
写真の様に2018年頃にリリースされた
スウェーデン発のSweet Skateboardsの為に
描いたボードグラフィックがはじまりです。

しかしもっと言えば実は2013年頃に
彼らの為に描いた3枚シリーズの
“Eurotrash”の残り物だった。

依頼を受けた当時僕は
ヨーロッパのファッションについて
“ステレオタイプに軽んじている
ダサいアメリカ人”という自意識がありました。
とは言え、アメリカ人も
おバカボーイに劣らないのに…。

そこでアメリカ人が
ステレオタイプに見えるような
4つ目のデッキを追加するつもりで
このシリーズを引き受けました。

しかし問題は当時私は主に
『Jackass Presents: Bad Grandpa (2013)』
取り組んでいたことで
残り少ないフリーランスの時間を使って、
最初の3つのヨーロッパ中心の
デザインしか出来ず頓挫していました。

4年後、”Eurotrash”シリーズのことを
すっかり忘れていた
私の受信トレイにSweet Skateboardsから突然、
「あのシリーズを完成させられますか?」
という問い合わせがあった。

トランプ旋風が吹き荒れる中、
息抜きになればと思い、快く引き受けました。

前の会社が倒産してしまったので
フリーランスの仕事は
とてもありがたかったのです。

赤、白、青で統一された太った野郎と、
それに付随する愛国的なアクセント、
ビールホルスター、
そしてAR15(M16-自動小銃)のアクセサリーアイテムだ。

しかし2021年1月6日に
アメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件が勃発し
これとまったく同じキャラクターが
国会議事堂を
縦横無尽に走り回るのを
見なければいけなかったなんて
とんでもない事だった。

とにかく当時私が描いた
4人目のアメリカ男の黒いTシャツには
白人のイエスがにこやかに旗を振って
親指を立てている姿が
描かれていたのです。

StrangeloveのパートナーであるNickは
このグラフィックだけでは
あまりにも勿体ないと思い、
このデザインを7月4日の
アメリカ合衆国独立記念日(祝日)に
デッキとTシャツとして
再利用できないか尋ねてきました。

それは問題なかったので
ちょっとおしゃれに、
そしてUSAということで
花火のテイストも入れてみました。
(アメリカの独立記念日には全米各地で花火が上がります)

風刺はアメリカ民主主義の
重要な礎であると私が信じてきたものであり、
それにふさわしい賛辞になると考えたからです。

しかしこのグラフィックが完成するまでに
2つの重要なことが起こりました。

1)予定していたプリント工場が
7月下旬まで仕上げられないことが判明。
(そう、7月4日に発売したが
発送は出来なかった)

2)アメリカ合衆国最高裁判所が
画期的な「ロー対ウェイド裁判」の判決を覆し、
さらに悪いことが起こるという
不穏な気配を漂わせたこと。


(「ロー対ウェイド裁判」は
2022年6月24日に米国の最高裁が
1973年のロー対ウェイド判決を覆し、
50年間全米で連邦法の下に認められていた
人工妊娠中絶の権利が
保障されなくなった判決です。
7月4日の直前ですね)
そこで、急遽やはり「JESUSA!」を付け足し、
利益はすべてPlanned Parenthoodという団体に
寄付することにしました。

信じてください、私はこれが皆にとって
良いものでないことは承知の上です。

でもね、それは全く問題ありません。

この国は多様性と自由という
民主主義の原則のもとに設立されました。

しかし全体主義に近い時代に
どうしてこの「我が道を行く」的な地点に
たどり着いたのか、私にはわからない
(まあみんなそうなのだが、
同じようにめちゃくちゃ不可解なので、
あまり深く考えないことにしよう)。

でも、反対するのは自由だし、
生きるのも自由だ。

さっきも言ったように
これはかつてアメリカの理想とされた
文明的な生活様式で
自分にとって最善のことをする、
というものでした。

あなたはあなたのために最善を尽くし、
私は私のために最善を尽くします。
そして、両者は決して、
有害で暴虐的な方法で、
他者と交わることはない。

しかし、その一線を越えてしまうと
教会と国家の分離がなくなれば
それは本当に問題なのです。

ロー対ウェイド裁判がその例です。

なぜなら誰もかれもクソもなく、
女性の身体と選択の自由の権利に対して、
彼らのルールや主張を
押し付けてはならないからです。

そうでないと考える人は、恥を知りなさい。

——Sean Cliver

追記

1.注目すべきは誰もがこの感情に
同意しているわけではないことだ。
「Skate and Destroy」に次いで、
「Keep Politics Out of Skateboarding
(スケートボードに政治を持ち込むな)」は
2番目に人気のあるモットーかもしれません。

しかし、Realのジム・シーボーの
「Hanging Klansman」モデルの存在しない
世界を想像することができるでしょうか?

2.今頃になって私たちは
休日/祝日の教訓を学んだと思うことでしょう。
昨年の7月4日の爆竹をテーマにした
ボードを覚えている人はいるだろうか?
僕はもちろん覚えていますよ!
まだ私たち本国のサイトにありますからね。
(ヘッシュのサイトにもあるw)


https://heshdawgz.stores.jp/items/5ba2180e5f7866776c001514

しかし、いや、我々は
世界クラスの学習能力の遅い人間であることに
変わりはないのです。
Strangeloveさん、お疲れ様でした。
来年はもっと頑張ってください。


最後まで
読んでくれた方ありがとうございます!

長すぎて僕(CB)も文章書くの大変です。
それも何本も売れるわけじゃないのに
どんだけ時間費やしてるんだ、っていうw

ただこれらのアメリカの問題は
今の日本の問題と繋がる部分が沢山あります。
私たちの国はいまカルト教団と政治家の
問題で大きく揺れ、
売国奴の元首相の「国葬」で分断し、
政権与党は同性婚、選択的夫婦別姓、
ジェンダー平等や
多様な家族のあり方についての
法整備には消極的です。

このグラフィックはキリストですし
もろにアメリカンなモノではありますが
裏に秘められたストーリーに
共感するところは多々あります。

Strangeloveの凄いところは
プロダクト作りに
きちんとメッセージがあるところです。
そしてこのデッキは転写ではなく
スクリーンプリントです。
それだけでも最高です!

日本ではほぼどこも取り扱っていませんので
この機会に是非!

デッキご購入の方には
デッキテープが付いてきます。

21.3 x 81.9cm (8.375 x 32.25inch, WB14.25)
ステインの色は写真と違う場合がございます。

https://heshdawgz.stores.jp/items/5b8513705496ff53020003fc

STRANGELOVE JESUSA! TEE Tシャツ ストレンジラブ ショーンクライバー

THRASHER MAGAZINE 2022 OCTOBER ISSUE #507 スラッシャー マガジン スケート雑誌 最新号

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